横浜市立大学(YCU)医学部 看護学科
看護学科の特徴
横浜市立大学医学部看護学科は、125年以上の歴史を持つ伝統ある教育機関です。1898年に設立された横浜市立十全看護婦養成所を起源とし、横浜市初の公立看護専門職高等教育機関として発展してきました。
この学科の特筆すべき強みは、充実した実践的教育環境です。特に、最先端医療を提供する2つの附属病院での臨床実習は、学生たちに貴重な学習機会を提供しています。横浜市立大学は福浦と浦舟町に2つの異なる特性を持つ施設を有することで、先進医療から地域密着型の医療まで、幅広い症例に対応できる体制を整えています。この環境は、医療従事者が専門知識を実践的に活用し、患者との直接的な関わりを通じて医療の真髄を学ぶ理想的な場となっています。これらの病院では、多くの卒業生が現場で活躍しており、技術指導だけでなく、将来の看護師像を身近に感じられる環境が整っています。
カリキュラムの特徴として、理論と実践のバランスの取れた教育プログラムが挙げられます。基礎的な医学知識から高度な看護技術まで、段階的に学習を深められるよう設計されています。特に医学部との連携により、解剖実習や分子生物学的手法を学ぶ機会があり、医学的な見地からも看護を理解できる環境が整っています。
国際性も本学科の大きな特徴です。フィリピンやハワイでの研修プログラムを通じて、グローバルな視野を養う機会が提供されています。また、実践的な看護英語学習により、国際的に活躍できる人材の育成に力を入れています。
研究面では、データサイエンスを活用した革新的なアプローチを重視しています。医療・福祉・保健のデータを統合的に分析し、個別化された看護care(テーラーメード看護)の実現に向けた教育を展開しています。3年次からは専門領域でのゼミ活動や卒業研究を通じて、研究的視点を養うことができます。
地域との連携も特筆すべき点です。国際都市横浜という立地を活かし、地域の健康課題に対応する実践的な活動を推進しています。小学校での健康教育活動など、在学中から地域貢献の機会が豊富にあります。
キャリア形成支援も充実しています。1年次から4年次まで段階的にキャリアビジョンを構築できるプログラムが用意されており、学生個々の目標に応じて、留学や国際学会参加、専門領域での研修など、多様な選択肢が用意されています。
進路面では、多くの卒業生が附属病院で活躍する一方、大学院進学を経て教育研究者や経営者として、あるいは医療通訳など、多様な分野でリーダーシップを発揮しています。また、看護師国家試験および保健師国家試験では、継続的に高い合格率を維持しています。
このように、横浜市立大学医学部看護学科は、豊富な実践機会、充実した国際教育、革新的な研究アプローチ、きめ細かなキャリア支援を通じて、次世代の医療を担うリーダーの育成に貢献しています。伝統と革新を併せ持つ本学科は、看護教育の新たな地平を切り開き続けています。
取得できる資格
・看護師国家試験受験資格
・保健師国家試験受験資格(※選択制)
学費
※学費は毎年、変更される可能性があるので参考までにご覧ください。
横浜市立大学医学部看護学科の初年度納入金は723,400円(市内※1)または889,400円(市外)です。
上記の金額に加え、(※2)諸会費(72,000円)や保険料など別途必要になるのでご注意ください。
※1…「市内」とは入学の日(4月1日)の1年以上前から引き続き本人またはその扶養義務者が横浜市内に住民票上の住所を有する場合に該当します。
※2…「諸会費」とは学術研究会会費、後援会会費、進交会(同窓会)入会費、自治会入会費、自治会会費を含みます。
学年 | 初年度納入金 |
入学金 | (市内)141,000円 (市外)282,000円 |
施設設備費(初年度のみ) | (市内) 25,000円 (市外) 50,000円 |
授業料 | 557,400円 |
【参考情報】
国家試験合格率
看護師国家試験合格率
横浜市立大学の看護師国家試験合格率は100%(受験者92名、合格者92名、2024年2月実施・新卒)。
実施年 |
合格率(%)・新卒 |
全国平均合格率(%) |
---|---|---|
2024年2月 | 100% | 87.8% |
2023年2月 | 100% | 90.8% |
2022年2月 | 99.0% | 91.3% |
2021年2月 | 98.9% | 90.4% |
2020年2月 | 96.9% | 89.2% |
2019年2月 | 100% | 89.3% |
2018年2月 | 100% | 91.0% |
2017年2月 | 99.1% | 88.5% |
2016年2月 | 98.1% | 89.4% |
2015年2月 | 97.8% | 90.0% |
【参考情報】
保健師国家試験合格率
横浜市立大学の保健師国家試験合格率は100%(受験者29名、合格者29名、2024年2月実施・新卒)。
実施年 |
合格率(%)・新卒 |
全国平均合格率(%) |
---|---|---|
2024年2月 | 100% | 95.7% |
2023年2月 | 100% | 93.7% |
2022年2月 | 100% | 89.3% |
2021年2月 | 100% | 94.3% |
2020年2月 | 100% | 91.5% |
2019年2月 | 100% | 81.8% |
2018年2月 | 96.6% | 81.4% |
2017年2月 | 100% | 90.8% |
2016年2月 | 91.2% | 89.8% |
2015年2月 | 100% | 99.4% |
主な実習先
横浜市立大学附属病院
横浜市立大学附属病院は、日本の医療システムにおける重要な存在として、377万人もの横浜市民の健康を守る最後の砦としての役割を果たしています。福浦キャンパスに位置するこの医療機関は、横浜市内で唯一の特定機能病院としての指定を受け、最先端の医療技術の研究開発と実践を推進しています。
本院の特筆すべき点は、様々な専門分野における卓越した医療サービスの提供です。がん治療における地域の要として高度型の地域がん診療連携拠点病院の指定を受けているほか、HIV/AIDS治療の中核を担う神奈川県エイズ治療中核拠点病院としても機能しています。さらに、災害時における地域医療の要としての使命も担っています。
医療教育機関としての側面も見逃せません。附属市民総合医療センターと連携しながら、次世代の医療従事者の育成に力を注いでおり、数多くの実習生や研修医を受け入れることで、実践的な医学教育の場を提供しています。
地域医療における同院の存在感も特筆に値します。神奈川県内の様々な医療機関とのネットワークを構築し、医療情報の共有や患者の円滑な受け入れ体制の確立に努めています。この取り組みにより、地域全体の医療水準の向上に大きく寄与しています。
【参考】
横浜市立大学附属市民総合医療センター
150年以上の歴史と伝統を誇る横浜市立大学附属市民総合医療センターは、横浜の医療において重要な役割を担う医療機関として発展を続けてきました。1871年の設立当時、日本で2番目となる西洋式病院としてその第一歩を踏み出し、以来、地域住民の健康を守り続けています。
この医療センターの最も際立つ特徴は、地域医療における「最後の砦」としての役割です。高度な専門医療と救急医療を組み合わせた包括的な医療サービスを提供し、横浜市内で唯一の高度救命救急センターを運営しています。特に、心臓血管センター、総合周産期母子医療センター、精神医療センター、小児総合医療センターなどの専門施設を備え、各分野における高度な医療ニーズに応えています。
地域医療における重要な拠点として、このセンターは様々な公的役割も担っています。神奈川県の総合周産期母子医療センターとしての機能、精神科救急医療の基幹施設としての役割、さらには災害拠点病院や地域がん診療連携拠点病院としての使命も果たしています。
医療の質の向上にも積極的に取り組んでおり、最新の医療技術と設備を導入しながら、地域の医療機関との緊密な連携体制を構築しています。また、新型コロナウイルス感染症への対応においても、重症患者の受け入れを積極的に行うなど、地域の医療体制の維持に貢献しています。
人材育成の面でも、この医療センターは重要な役割を果たしています。次世代の医療従事者に対して、専門的な知識や技術の習得機会を提供するだけでなく、医療人としての倫理観や責任感を育む教育環境を整えています。働きやすい職場環境の整備にも注力し、全職員が共通の理念と方針のもとで医療サービスの提供に取り組んでいます。
このように、横浜市立大学附属市民総合医療センターは、地域に根ざした医療から最先端の専門医療まで、幅広い医療ニーズに応える総合的な医療機関として、横浜市の医療体制の中核を担っています。150年にわたる歴史の中で培われた信頼と実績を基盤に、これからも地域医療の発展に貢献し続けることが期待されています。
【参考】
就職先
横浜市立大学医学部看護学科の就職先は以下の通りです(※2024年3月卒業生実績) 。
就職した者は80名、進学した者は12名。
就職者のうち約66%が横浜市立大学の関連病院に就職しています。
横浜市立大学附属病院に26名、横浜市立大学附属市民総合医療センターに27名が就職しています。
そのほか、国立がん研究センター中央病院に2名が就職していますが、他の病院は各1名です。
就職者のうち約71%が横浜市内に就職しています(57名)。
看護師
病院名 | 住所 |
横浜市立大学附属病院 | 神奈川県横浜市金沢区福浦3-9 |
横浜市立大学附属市民総合医療センター | 神奈川県横浜市南区浦舟町4-57 |
神奈川県立こども医療センター | 神奈川県横浜市南区六ツ川2-138-4 |
横浜鶴ヶ峰病院 | 神奈川県横浜市旭区川島町1764 |
日本医科大学武蔵小杉病院 | 神奈川県川崎市中原区小杉町1-383 |
川崎幸病院 | 神奈川県川崎市幸区大宮町31-27 |
国立がん研究センター中央病院 | 東京都中央区築地5-1-1 |
東京大学医学部附属病院 | 東京都文京区本郷7-3-1 |
東京都立神経病院 | 東京都府中市武蔵台2丁目6-1 |
日本医科大学附属病院 | 東京都文京区千駄木1-1-5 |
日本赤十字医療センター | 東京都渋谷区広尾4丁目1-22 |
慶應義塾大学病院 | 東京都新宿区信濃町35 |
浜松医科大学医学部附属病院 | 静岡県浜松市中央区半田山1丁目20-1 |
総合病院国保旭中央病院 | 千葉県旭市イ1326番地 |
日本赤十字社愛知医療センター名古屋第一病院 | 愛知県名古屋市中村区道下町3丁目35番地 |
帯広厚生病院 | 北海道帯広市西14条南10丁目1 |
保健師
・横浜市(2名)
・鎌倉市(1名)、川崎市(1名)、町田市(1名)、平塚市(1名)、長岡市(1名)
進学
・横浜市立大学 医学研究科 看護学専攻(2名)
・他の学校…専攻科(助産)2名、専門学校(助産)4名、大学院(助産)2名、その他(2名)
【参考情報】
入試情報【2025年度】
※入試情報は必ず最新の募集要項を入手し、ご確認ください。
※横浜市立大学医学部看護学科の定員は100名【一般前期A方式(40名)、一般前期B方式(15名)、特別公募制学校推薦型(5名)、指定校制学校推薦型(40名)、国際バカロレア特別(若干名)】
※出願時において一般方式(A方式・B方式)を選択する必要はありません。
区分 | 試験日 |
指定校制学校推薦型 | 2024年11月23日(土・祝) |
特別公募制学校推薦型 | 【1次選考】出願者数が募集人員の約8倍を超えた場合のみ実施 【2次選考】2024年11月23日(土・祝) 【3次選考】大学共通テスト |
国際バカロレア特別 | 2024年11月23日(土・祝) |
一般前期(A・B方式) | 2025年2月26日(水) |
学校案内 受付状況 |
※下記のものを資料請求できます。 ① 大学案内 |
指定校制学校推薦型 選考方法 |
・書類審査及び面接 |
特別公募制学校推薦型 選考方法 |
【1次選考】出願者数が募集人員の約8倍を超えた場合のみ、全体の評定平均値と英語資格点の合計点により選考。 【2次選考】面接審査により看護学を志す動機、保健・医療・福祉に対する適性・意欲などを総合的に評価。 |
国際バカロレア特別 選考方法 |
・面接 |
一般前期(A・B方式) 選考方法 |
【大学共通テスト】 ・A方式(5~6教科6科目) 【必須】国語、地歴公民、理科、数学、情報、英語(リスニング含む) ・B方式(3教科3科目) 【選択】国語、地歴公民、理科、数学、情報から1科目 【必須】理科、英語英語(リスニング含む) |
【参考情報】
入試結果

一般(前期) 横浜市立大学 医学部 看護学科 |
|||||
年度 |
募集人員 |
志願者 |
受験者 |
合格者 |
倍率 |
2024 | 55 | 149 | 135 | 58 | 2.3 |
2023 | 55 | 92 | 75 | 56 | 1.3 |
2022 | 65 | 130 | 118 | 69 | 1.7 |
2021 | 65 | 138 | 124 | 70 | 1.8 |
2020 | 65 | 115 | 107 | 78 | 1.4 |
2019 | 70 | 154 | 147 | 70 | 2.1 |
2018 | 70 | 191 | 175 | 91 | 1.9 |
2017 | 70 | 165 | 156 | 91 | 1.7 |
2016 | 70 | 167 | 157 | 80 | 2.0 |
特別公募制学校推薦 横浜市立大学 医学部 看護学科 |
|||||
年度 |
募集人員 |
志願者 |
受験者 |
合格者 |
倍率 |
2024 | 5 | 63 | 45 | 10 | 4.5 |
2023 | 5 | 47 | 38 | 13 | 2.9 |
国際バカロレア 横浜市立大学 医学部 看護学科 |
|||||
年度 |
募集人員 |
志願者 |
受験者 |
合格者 |
倍率 |
2024 | 若干 | 2 | 2 | 2 | 1.0 |
2023 | 若干 | 2 | 2 | 2 | 1.0 |
2022 | 若干 | 1 | 1 | 1 | 1.0 |
2021 | 若干 | 3 | 3 | 3 | 1.0 |
指定校推薦 横浜市立大学 医学部 看護学科 |
|||||
年度 |
募集人員 |
志願者 |
受験者 |
合格者 |
倍率 |
2024 | 40 | 45 | 45 | 45 | 1.0 |
2023 | 40 | 42 | 42 | 42 | 1.0 |
2022 | 35 | 47 | 47 | 47 | 1.0 |
2021 | 35 | 44 | 44 | 44 | 1.0 |
2020 | 35 | 40 | 40 | 40 | 1.0 |
2019 | 30 | 41 | 41 | 41 | 1.0 |
2018 | 30 | 30 | 30 | 30 | 1.0 |
2017 | 30 | 25 | 25 | 25 | 1.0 |
2016 | 30 | 32 | 32 | 31 | 1.0 |
【参考情報】
偏差値
横浜市立大学医学部看護学科の偏差値は55となっています(一般入試・A日程)(※ベネッセのデータ)。
ベネッセ
区分 | ベネッセの偏差値 | ボーダー得点率 |
一般・前期(A・B方式) | 55 | 70% |
河合塾
区分 | 河合塾の偏差値 | ボーダー得点率 |
一般・前期(A方式) | ― | 72% |
一般・前期(B方式) | ― | 74% |
オープンキャンパス(看護学科)
夏のキャンパス見学(福浦キャンパス)
【開催日程】
・2024年8月27日(火)
・午前の部:9:30~11:30、午後の部:14:00~16:00
【開催内容】
・福浦キャンパス看護棟内の自由見学
・看護領域ごとの紹介
・病院見学ツアー(予定)
ミニ説明会(福浦キャンパス)
【開催日程】
・2024年5月09日(木)
・2024年5月16日(木)
・2024年6月13日(木)
・2024年7月11日(木)
【開催内容】
・医学部(医学科・看護学科)の概要と入試説明
・授業科目「病気を科学する」のスクリーン聴講
オンライン・オープンキャンパス
【開催日程】
・2024年8月22日(木)医学部看護学科
【開催内容】
・医学部看護学科の紹介
・模擬授業
入試説明会・相談会
福浦キャンパス(医学部 医学科・看護学科)の大学祭「メディカル・ファスティバル」のなかで、入試説明会・相談会が実施されます。
・2024年11月17日(日)10:00~11:30
交通アクセス
福浦キャンパス/医学部(医学科・看護学科)
【所在地】
・福浦キャンパス:神奈川県横浜市金沢区福浦3-9
【交通機関・最寄駅】
・シーサイドライン「市大医学部」駅下車、徒歩1分
金沢八景キャンパス/医学部(1年次)
【所在地】
・金沢八景キャンパス:横浜市金沢区瀬戸22-2
【交通機関・最寄駅】
・京浜急行線「金沢八景駅」下車徒歩5分
・シーサイドライン「金沢八景駅」下車徒歩7分
【PR】学校案内・受付状況
横浜市立大学 学校案内 受付状況 |
※下記のものを資料請求できます。 ① 大学案内 |