看護師のほうが年収で約206万円高い。

執筆者:看護大学・専門学校受験ナビ編集部

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厚生労働省の『賃金構造基本統計調査』(平成23年度)によると、
看護師の平均年収は474万5000円、平均月収は32万6000円です。
女性の平均年収(サラリーマン)は268万円です。
一般の女性の平均収入と比べると、
看護師のほうが年収で約206万円高いという結果になります。
昨今、景気が上向いてきたとはいえ、
雇用面において不安定さは消えていません。
看護師は収入の面では、安定した収入を手に入れることができるので、
将来の設計を立てやすい職業と言えそうです
ではここで 、病院によって差はありますが、
ごく一般的な看護師の初任給の一例を見てみましょう。
※給与は毎年、改定されるので参考程度にご覧ください。

東京女子医科大学病院(2014年4月就職者向け)
看護師(大卒)/助産師…月給281,500円(主要手当て55,000円含む)
看護師(3年卒)…月給276,300円(主要手当て55,000円含む)

北里大学病院(2014年4月就職者向け)
看護師(大学卒)…月給305,000円(主要手当103,900円含む)
看護師(3年卒)…月給 289,000円(主要手当100,100円含む)

初任給で約28 万~30万円もらえるのは一般的には高い部類でしょう。
ただし、表面上の金額に左右されず、
勤務時間・夜勤の回数・休日日数など、勤務形態をよく確認しましょう。

文部科学省の調査によると、
2012年の大卒の就職率は64%。
非正規雇用は2万2000人。
アルバイトなどの「一時的な仕事」に就いた1万9596人。
進学も就職もしていない人が、8万6638人。
以上の「安定した仕事」に就いていない人たちを合計すると約12万8200人。
大卒の非正規雇用・大卒フリーター・大卒ニートを合わせると約12万8200人いるということです。
働く意志があっても、正社員になれず、
将来が不安定な派遣社員、アルバイトとして生活せざるを得ない人がたくさんいます。

そういう就職不安が広がる社会のなかで、
100%就職できる看護師という職業は人気があります。
高校生だけでなく、社会人も看護師になろうと看護学校を受験するほどです。
今の仕事をやめてでも、看護師になろうとするわけですから、
それだけ看護師になるメリットがあるわけです。
安定した生活を送りたいという思いが、
現在の看護師志望者の増加に表れていると言っていいでしょう。

また、結婚をして別の地域に引っ越しをしたとしても、
日本全国、病院はどこにでもあり、
看護師の求人は多いので、就職が容易に見つかります。
そのほか、子育てが落ち着いて、
仕事をしたいと思ったときに、
看護師の場合は仕事を見つけやすいです。
一生、専業主婦でいるよりも、
仕事をして自立した女性でいたいという人も多い現在、
看護師の資格は強い味方になってくれるでしょう。

また、男性看護師の就職状況もかなり良いようです。
女性が多い看護の現場では男手はかなり貴重です。
男性看護師はまだまだ少ないですが、
少ないからこそ男性看護師の存在は貴重とされ、
就職率の高さにも結びついています。
単純に物理的に力が必要な作業などで、
男性が女性を支援できます。
全員女性の現場よりも、
男性が一人いるだけで職場の雰囲気が変わり、
コミュニケーションの面でも「男性の存在」が潤滑油になります。

看護師は「資格を持っているだけ」で、就職できる珍しい資格!

一般的に「資格」というものは取っていれば、
就職できる…というわけではありません。
むしろ、 「その資格を取れば、就職がすぐに見つかる」
…ということは、実は少ないのです。
テレビCM・雑誌などで「資格を取ろう!」「資格を取ったら人生が変わる!」
というメッセージをよく見かけます。
資格を取ること自体は全く悪いことではありませんし、
知識を得ることであなたの人生が豊かになることは確かです。
ただ、テレビCM・雑誌を見て、
「資格さえ取れば就職できる」と勘違いしてしまう人も少なくないのです。
資格はあくまでも、その仕事に応募できる最低限の条件に過ぎず、
採用されるには過去の実績や人間性・コミュニケーション力なども必要なのです。
そう考えておかないと「資格を取りさえすれば、すべてうまくいく」と過度な期待をしてしまいます。
資格を持っているのに就職できなかったら、ショックはとても大きいものでしょう。

さて、資格を取っても就職に必ずしも結びつかない状況のなかで、
看護師という資格は資格を持っているだけで、 ほぼ100%就職できます。
もちろん、病院によっては面接に加え、
適性検査や作文などの試験はありますが、
一般の就職活動の厳しさを考えれば、
売り手市場の看護師の就職活動は楽と言えるでしょう。

給料は良いけど、看護師の仕事って大変そう…
と思った人は、看護師になるのはやめたほうがいいかもしれません。

さて、ここまでは、看護師という職業のメリットをお話してきましたが、
あえて、看護師を目指す方々へ厳しいことを言わせていただきます。
給料が良いからと言って、
無責任に「看護師になったほうが、良いですよ」と、
オススメすることは、私にはとてもできません。

給料は良いけど、看護師の仕事って大変そうと思った人は、
看護師になるのはやめたほうがいい…かもしれません。
そういう人は看護師になれたとしても、
残念ながら1年で看護師を辞める可能性があります。
その理由として次のようなデータがあるのです。
公益社団法人日本看護協会の調査で、離職率が発表されているのですが、
新卒看護職員の離職率は7.5%(2011年度)です。
常勤看護職員の離職率は10.9%(2011年度)です。
毎年、10人に1人以上、辞めているのです。
もちろん、辞める理由は本人のせいだけではありません。
人員不足の病院は看護師の負担がそれだけ大きくなるので、
離職率が高いという調査結果が出ています。
とはいえ、それ以前に看護師自身の問題もあるのも事実です。
「何か手に職をつけたいな~。給料いいし、看護師にでもなってみようかな 」と深く考えずに、
看護師になってしまった人も少なくないのです。
もちろん、そういう人の中には看護師になるまえに、
看護学校の実習の時点で辛くて学校をやめてしまう人もいます。
なんとか看護師になったとしても、
「労働時間が長い、夜勤が辛い、先輩の看護師が厳しい」など
ストレスがたまることがたくさんあります。
いくら看護師という職業が、
・就職率100%
・初任給で30万円近くもらえる
・再就職しやすい
…とはいえ、
給料がいいからというお金目的だけでは、
仕事を続けられないほどハードなお仕事なのです。

看護師として長く働くためには、
大前提として看護師という職業が好きかどうかです。
どんな職業でも嫌々やっていたら、
長続きするはずがありません。
まず、看護師という職業そのものに、
魅力を感じることができるかどうか、
自分の胸に手を当てて、少し考えてみてください。
自分で考えろと言われても、イメージがわかない人は、
病院で行われる1日看護体験や
看護大学・専門学校のオープンキャンパスや公開授業に参加してみましょう。
病院によって看護体験の内容は違いますが、
一般的に血圧を測ったり、 患者さんの足を洗ったり(足浴)、車いすを押したりします。
そのほか患者さんと話したり、特定の看護師さんに付いて、仕事を見学させてもらったりと、
実際に病院という現場に身を置いて体験することで得るものがあるはずです。
オープンキャンパスや公開授業に参加すれば、
自分がどういう環境でどういう勉強をするのか、
学校の先生や在学生と話す機会があるかもしれません。
偏差値だけでなく、校風が自分に合う学校なのかを見極めることも大切です。
この学校に通いたいな~、この学校で勉強したいな~というイメージを持つことは
勉強をするモチベーションにもなるので、実はとても大切です。
さらに学校案内や募集要項には、
学校のカリキュラム・授業内容から入試科目の詳細まで載っていますので、
学校研究を兼ねて読んでみましょう。
大学・専門学校の資料請求はリクナビ進学から可能です。
そのほか、お母さんや親戚・知り合いに看護師さんがいたら、
仕事の話をぜひ聞いてみましょう。
身内や知り合いなら遠慮せずに聞けることもあるはずです。
実際に看護師の仕事をしている人の話は、
作り話ではないので、臨場感のある話が聞けます。
体験した人の話は説得力があるので、
看護師の仕事としてのイメージもしやすくなるはずです。
以上、挙げたことをやってみると、
看護師という職業の魅力を少しはイメージできるようになると思うので試してみてください。

 

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