なぜ看護受験では、大学や専門学校のどちらであれ、
学力はあっても面接で不合格になるのか?
学力があっても、面接試験で不合格になってしまうのはなぜかというと、その原因の一つとして、「(自分が受験する)その看護学校に入りたいという熱意の足りなさ」が挙げられます。
つまり、その学校を志望する動機があいまいなケースです。看護学校の先生にしてみれば、「なぜ、うちの学校に入りたいのか」「なぜ、うちの学校でなければならないのか」という部分が一番気になるのです。
たいして入りたくもない学校に入学されて困るのは、生徒本人だけではなく、看護学校の先生も同じく迷惑なのです。というのも、やる気のない生徒を教えるほど大変なことはありません。看護学校での生活はレポートの提出や実習などで忙しく、大変です。必然的に、看護学校にいる時間も長くなります。
そういった生活が待っている状況で、やる気がない生徒が入学しても、すぐに退学してしまうことも少なくありません。退学してしまっては生徒本人にとっても時間の無駄になりますし、看護学校にとっても将来看護師になる人を失うわけですから、損なわけです。つまり、お互い不幸な結果になるのです。だからこそ、そうならないためにも、面接をして、学校の志望動機、生徒自身の学校への熱意を確かめるわけです。
また、面接官である看護学校の先生は、附属の病院の看護師長など病院に勤務する関係者であることも多いのです。
ということは例えば、附属病院の看護師長にとっては、看護学校卒業後にその生徒と、同じ職場で働く可能性があるのです。「こういう生徒は、同じ職場で働きたくないわ」と思われてしまっては、いくら学力があっても、不合格になってしまうことがあるのです。
これは看護専門学校でも、看護大学でも同じことなのです。大学にも附属病院や提携している病院があります。学校の関係者だけではなく、病院関係者も面接官として同席していることがあるのです。
では、どのような面接対策をすれば良いのでしょうか?
いわゆる面接対策というと、面接のマナー、言葉遣い、お辞儀の練習、入室、退出の仕方などのテクニックに走りがちです。
もちろん、最低限の面接マナーは必要です。ですが、それだけでは面接は乗り切れません。重要なので繰り返しますが、大切なのは「(受験する)その看護学校に入りたい」という熱意なのです。
つまり、受験する看護学校への志望動機を明確にすることです。そのためには看護学校の研究が欠かせません。受験する学校のことを全く知らずに、学校の志望動機を答えることは、どんな人でもできません。
まずは、看護学校のパンフレット、願書、募集要項をよく読んで、学校の特色を把握しましょう。どんな情報が面接で役立つかは、分からないので、「その学校のことなら何でも知っている」ぐらいのレベルまで学校のパンフレットや願書、募集要項を読み込めば、大丈夫です。
具体的には、以下の情報が手に入ります。
- 学校のカリキュラム・授業内容
- 学校の教育理念・指導方針・校風
- 就職状況
- 実習設備、環境
- 看護師の国家試験合格率
- 教授や助教授などの教員名
- 寮の有無
- 学費
- 奨学金制度
- 入試科目
- 入試倍率 など。
パンフレットや願書、募集要項など様々な資料を使って、情報を入手しましょう。
早めにパンフレットを入手して学校研究をしっかりやれば、「ここの学校に入りたい」という思いが高まります。さらに、目的がはっきりすることで勉強が長続きします。
受験は長期戦です。時には、勉強に疲れ、やる気がなくなることもあるでしょう。
「どんな看護大学があるのか、どんな看護専門学校があるのか」
知らない、分からない状態では、当然入りたい学校も決まっていないはずです。そんな目標のない状態では、勉強しようというモチベーションが高まらないので、勉強する気がおこらないのです。
一方、学校研究をし、絶対に入学したい学校があれば、勉強をする気がなくなったときでも、「やっぱり、あの学校に自分は行きたい!」という思いで、また勉強をする元気が出てくるのです。
そして、学校研究をしっかりやり、行きたい学校が明確になった人ほど、結果として受験に成功する人が多いのです。「学校研究をしっかりやるだけで合格が近づく」ことは間違いありません。
推薦入試やAO入試では特に、学校研究は非常に重要になってきます。というのも、推薦入試やAO入試では、学力試験はなく、面接や小論文で合否の判定を行う学校がほとんどです。学力試験を行う学校もありますが、基本的な学力を審査することに重きが置かれています。つまり、推薦入試やAO入試の学力試験は、最低限の学力を判断するものに過ぎないのです。ただし、面接や小論文がない推薦入試やAO入試の場合は、学力で判定せざるを得ないので、基礎的な学力は必要になってくるでしょう。
いずれにしても、推薦、AO入試受験者は、年内に入試が行われるので、早めの面接、小論文対策が必要です。面接試験の重要性については、すでに十二分に述べましたが、看護学校受験では、一般入試でさえ、面接を行い、「どれくらいうちの学校に入りたいのか」という熱意を確かめるのです。推薦入試やAO入試では、合否の判定材料が、面接、小論文、調査書程度しかないわけですから、必然的に面接や小論文の比重が高まります。 面接対策には、学校について、十分、知識を蓄えておく必要があります。学校側としても、ぜひ、うちの学校に入りたいという生徒が欲しいものなのです。それは、みなさんが、看護学校側の面接官の立場の気持ちになってみれば、すぐにわかるでしょう。やる気のない生徒には入学してほしくないのです。
学校のパンフレットには、その看護学校の魅力が掲載されているはずです。というのも、学校側もセールスポイント、アピールしたい部分をより多くの受験生に知ってほしいからです。 ただし、注意したいのは、パンフレットに書かれていることを丸暗記するだけ実は不十分です。その魅力を面接で言ったところで、面接官にとっては自分の学校の魅力など「当たり前」のことなので、心に響くわけがありません。
面接官にPRするためには、学校の魅力を知って、「あなたがどのように感じたのか」が知りたいのです。知りたいのはあくまでも「あなたの意見」なのです。ですから、自分の頭を使って、自分の感じたことを整理しておきましょう。自分の頭で考えた意見は、面接官に強い印象を与えることができます。学校の魅力を知っておく必要は当然ありますが、学校の魅力を暗記するだけでは、不十分なのです。魅力を知って、「あなたはどう考えたのか」、それを面接官は知りたいのです。
看護師確保に奔走する病院たち
診療報酬の改定により、 看護師の配置基準を7対1にすると、入院基本料の診療報酬が増額されるため、とにかく看護師の数を確保することが、最優先事項となった病院が多くあります。東大病院で300人規模、東京医科大学病院で100人規模での採用を行ったといわれています。寮費を格安で提供、夜勤手当の増額、福利厚生の充実など、看護師に魅力的な条件を提供することにより、看護師の引き抜きを行う病院もあるほどです。問題は中小病院の看護師不足が深刻化したことなのです。やはり大病院の待遇の良さには劣る中小病院。このような単純に看護師の数を増やせば診療報酬が一律に増額される制度の弊害を防ぐため、厚生労働省は「看護必要度」という基準を設けました。看護必要度とは、入院患者に提供されるべき看護の必要量です。平たく言えば、軽度の患者には看護必要度は低く、重度のの患者には看護必要度は高くなるのです。病床数を少なくして、看護師の配置基準を7対1にする病院も出てきたとはまさに病院側も苦肉の策といえます。経営が苦しく赤字の病院も少なくないのは事実。診療報酬をめぐっては、今後も厚生労働省の方針がさらに二転三転しそうです。
看護師の大変さを知らずに、看護師を目指してしまう人が意外に多いようです。想像以上に、現場の仕事の大変さ、夜勤もありハード肉体労働、人の命に関わることもあるので、その責任の重さなどに耐えられない人も多いようです。もっとも、それだけやりがいのある魅力的な仕事でもあるわけです。
看護師の基本的に仕事内容
看護師の主な仕事は清潔の保持、排泄の介助、不安の除去、食事の援助などの「療養上の世話」と注射、点滴、消毒、吸引などの「診療の補助」です。すなわち、診療の補助、患者へのケア(家族へのケア)などが主な仕事なのです。
看護は、健康な人がより健康な生活を送るために、病気の予防や生活改善への手助けをしたり、健康に不安を持ったり、病気になった人には、1日も早く回復をしてもらうための援助をしていく仕事です。そのためには、患者の身体面(病気のメカニズム、患者の状態、医師の治療方針)、 心理面(患者の病気や治療に対する気持ち、考え)、社会的背景(患者の生活環境、社会や家庭での役割)をよく知り、その患者にとって最適な看護をしていかなくてはなりません。もちろん、患者とともに喜びや悲しみを分かち合うことも必要ですが、なるべく本人の力で生活できるように支援することも大切な仕事なのです。
チーム医療で情報の共有を!
また、昨今では「チーム医療」ということが提唱されています。看護師は医師をはじめ、理学療法士、作業療法士、薬剤師、診療放射線技師など、他の医療チームとの連携を円滑にすることを求められています。チーム医療のメリットは、各専門の分野が単独で治療を行うのではなく、情報を共有することによって、患者がより効果的な治療を受けられるような環境作りにあります。看護師はまさにチーム医療を円滑に進める調整役としての役割を求められているのです。
看護師の仕事はあこがれだけではできない!
一見、白衣の優しいナースというイメージであこがれが先行しますが、実際は「あこがれ」だけでは看護師の仕事は務まりません。例えば、排泄の世話は基本的なケアのひとつであり、「汚い」といっては看護師は務まらないでしょう。けれども、大変な仕事だけに、やり遂げた時の達成感も大きいのです。そこが看護の魅力の一つでもあります。
看護師は夜勤もある体力勝負の仕事!
看護師は夜勤の仕事もあり、健康である程度体力が必要です。一般に過半数の病院で3交代制を採用しています。この3交代制とは単純に1日の24時間を3つにわけ、8時間ごとに区切ったものです。日勤(8時〜16時)だけでなく準夜勤(16時〜24時)、深夜勤(24時〜翌8時)があるため、精神的にも体力的にも辛い仕事であります。深夜勤は国の指針では月8回とされていますが、実態は月8回を超える看護師も多いようです。病棟勤務以外の外来やオペ室での勤務は日勤が中心です。
精神も健康的でなければならない!
肉体的に健康であることも必要ですが、看護師は精神的に健康的であることが求められます。看護師の精神状態が不安定であれば、患者も不安にさせてしまいます。これは自分が患者の立場になってみればすぐに分かると思います。
例えば、自分が怪我で入院してこれから手術をするというときに、手術が成功するかどうか心配になったり、慣れない病院生活で不安を感じることもあるでしょう。そんなとき、看護師が患者と一緒になって、感情的に悲しくなったり不安になったりしていたら、患者も精神的に不安定になってしまうでしょう。もちろん、必要以上に患者に冷たく振舞うことは良くありませんが、適度な励まし、落ち着いた態度が患者に安心感を与えるのです。また、がん病棟で働く看護師は、毎日のように患者を看取らなければならないこともあります。その度に感傷的に気持ちが落ち込んでしまっては、看護師の仕事はできません。悲しみにも耐えられる精神を看護師は持っていなければなりません。
看護師になる自信をなくしてまった人へ…
さて、今までの説明で、看護師の大変さばかりが気になってしまいましたか?そう感じた人は必要以上に不安に感じる必要はありません。安心してください。少し考えてみてください。看護師をちょっとでも目指そうと思ったきっかけがあったでしょう。また、漠然と看護師になりたいと思っている人もいるかもしれません。いずれにしても、看護師になりたいという純粋な思いがあれば、最後には乗り越えられるのです。
では、なぜ私は看護師の仕事の大変なことばかり書いたのでしょうか?それは看護師を目指す皆さんに、看護師になる覚悟を持って欲しかったからです。看護師の10人に1人が1年目で辞めてしまうそうです。それは、看護師の仕事の大変さを知らなかった…ということも原因の一つにありそうです。看護師の仕事は「とりあえず看護師になろうかな〜」で務まるほど楽な仕事ではありません。最初から看護師の仕事の大変な部分を知っていれば、看護の仕事を辞める人はもっと少ないでしょう。
せっかく看護師になったのに、1年で辞めてしまってはもったいないです。皆さんにそうなって欲しくないために、あえて看護師の仕事の大変さを少しだけ書いてみました。しかし、大変さより看護の魅力が大きいこともまた事実です。これを読んでくださった皆さんが、看護の魅力を知った素敵な看護師になれることを祈っています。